9・10月 11月 全国スケジュール スケジュール HOME

全国大会(社会人・日本選手権)観戦記

☆12/14  神戸製鋼○59-22セコム  ワールド●14-35NEC

神戸-2分SOミラーTG、16分ミラーTG、28分NO8伊藤T、33分FL小村TG、36分FB八つ橋TG、後半3分CTB吉田TG、12分WTB増保TG、40分増保T、42分ミラーTG(計9T7G、59点)
セコム-10分PG、22分CTB遊佐TG、38分NO8マホニT、後半1分マホニTG(計3T2G1PG、22点)

◎神戸、セコムの重いFWに対し、力づくでのトライが多かったのが気にかかる。序盤のミラーの個人技によるトライがなければ苦しい展開は免れなかっただろう。後半は長い間セコムゴール前で攻めつづけながら、なかなかトライが奪えない展開は、イライラを募らせたファンも多かったのではなかろうか。フィットネスの面で課題を残す試合となったようである。思い切って若手を多く起用するなどの対処が必要ではなかろうか
ワールド-6分CTB大西TG、27分FLトキノTG(計2TG、14点)
NEC-3分PG、20分WTB田中T、24分CTB川合TG、40分SO岡村TG、後半3分CTBコニアT、40分LOマーシュT(計2PG5T2G、35点)

◎ワールド、ゴール前のデイフェンスリーグ戦時の堅固さ無く、NECのアタックが勝っていたのか、あっさり抜かれる場面が目立った。攻撃に際しても、ノックオン、スローフォワードなどのミスが続出し、いわば自滅の形で、NECの軍門に下った。NECは、ほぼチームとしての戦い方が出来てきたようで、リーグ戦の負けはなんだったのかと思わせる戦い振りを見せていた。怖いチームが戻ってきた。

☆12/23  豊田織機20-42三洋電機   ヤマハ36-12クボタ

豊田-12分WT河野TG、20分モナハンDG、29分CT夏山T、後半17分NO8マリーT(計3T1G1DG、20点)
三洋-8分WT小林TG、25分PG、28分PG、後半7分FLオライリーTG、10分PG、22分NO8堀越T、27分CTストロングマンTG、38分HO佐藤TG(計5T4G3PG、42点)

○前半は、両チーム相手のアタックをしっかり止める好デイフェンスを見せて、15-13で豊田織機リードで折り返す。しかし、後半に入ると7分にラインアウトからのモールで三洋電機がトライを奪うと徐々に三洋ペースになっていく。豊田織機はリズムが作れぬまま自滅という形になった。接戦になれている三洋電機が、22分、27分にも同じ形でトライを奪うと試合は決まった。
ヤマハー5分SO堀川TG、13分PG、37分WTソトゥトゥT、後半4分FB四宮TG、38分FL本間TG、40分ソトゥトゥTG(計5T4G1PG、36点)
クボタ-25分NO8オファフェンガーT、35分WT岡田TG(計2T1G、12点)

○ヤマハ、関西1位の面目をしっかり守った。前半2トライ奪われたものの、ゴールを背負っても堅いデイフェンスは崩れず、なかなかゴールを割らせない。リーグ戦で見たときよりもさらに防御面ではしっかりしている。攻撃面では、クボタデイフェンスにてこずった面もあるが、もうひとつ形ができないと決定力がないように見受けられるのが不安な要素である。FB四宮のライン参加がたびたび出るのだが、スペースがないのが残念。またNO8木曽の突破力は目を見張るものがある。関西最後の砦としてのヤマハにさんとりーとの対戦を望む。がんばれヤマハ。もう少し局面を見れる選手が増えれば面白い存在になりそう。

☆12/23   ワールド25-36リコー  神戸製鋼12-13東芝府中

リコー-7分FLフェヌキタウTG、27分SO森島TG、31分WT山品TG、42分PG、後半10分フェヌキタウTG、23分山品T(計5T4G1PG、36点)
ワールド-25分PG、36分PG、後半16分WT織田TG、26分SH岡TG、36分織田T(計3T2G2PG、25点)

◎ワールド、負けられないというプレッシャーが重荷になっているのか、アタックにミスが多くリズムがつかめない。逆にリコー、自分たちのペースで2トライをあげて完全にリズムに乗る。後半に入って、ようやくワールドボールを支配し始めるが、前半の失点が重くのしかかり、ボールを持ちすぎてミスを犯しては攻めきれない。大きくゲインするものの、トライになかなか持ち込めないのが辛い。残念ながら、精神的な重圧に負けてしまった今日のワールドである。デイフェンスではよい面を見せていたが、アタックで後手に回ったのが痛い。
神戸製鋼-8分FL川上T、後半32分CT吉田TG(計2T1G、12点)
東芝府中-後半6分SO島崎TG、20分PG、40分PG(計1TG2PG、13点)

◎神戸製鋼、東芝府中とも、好デイフェンスの戦いとなり、なかなかゴールを割らせない。神戸も再三東芝ゴール前に迫り、あと一歩のチャンスはつかむのだがいかんせん大畑の抜けた穴は大きい。決定力に欠けるのが難点である。ヤマハ戦より全体に動きは良くなっているが、それでもワールド戦といい、今日の試合といい勝負に弱くなっている点が気にかかるところである。これで、決勝トーナメントはサントリーに初戦であたるため厳しくなった。 

☆ワールド23-20トヨタ  NEC24-14リコー

ワールド-後半4分PG、20分モール→大西→福岡TG、27分PG、32分舛尾→スタワーズTG、34分福岡DG(計2TG2PG1DG、23点)
トヨタ-3分難波TG、7分PG、18分PG、32分ターンオーバー→蛎崎TG(計2TG1PG,20点)

◎ワールド、執念の逆転。トップリーグ入りを賭けた対戦は、両者必死のデイフェンスで質の高い戦いになった。後半風上で追いかけるワールドが、30分過ぎに追いついてからは、ワールドようやく落ち着きを取り戻したようだが、切れずに前半我慢しつづけたことが逆転勝利を呼び込んだようである。逆にトヨタは、再三ワールドゴール前に迫りながらあと一歩のところでゴールを割れなかった。決定力の面で若干劣っていたようである。
NEC-6分FB白濱の突破→CT川合TG、35分HO網野の突破→WT大東T、40分WT窪田T、39分認定トライTG(計4T2G、24点)
リコー-11分PG、26分カウンター→SH後藤T、後半4分PG、17分PG(計1T3PG,14点)

◎リコーの防御も見事なものであったが、それを上回るNECのアタック。とりわけ20分過ぎからリコーゴール前でのFWにこだわった攻めは、度重なるリコーのペナルティを引き出し最終的に認定トライを奪った。とはいえ、NECは多彩な攻めでそのもてる力を存分に発揮しうるだけのチーム力は戻っているはず。決勝トーナメント初戦はヤマハ。これも破りそうな勢いである。

☆東芝府中68-8三洋電機  サントリー54-34神戸製鋼 NEC24-24ヤマハ

東芝-2分WT松田TG、22分LO釜沢TG、37分CTマクラウドTG、40分釜沢TG、後半1分マクラウドTG、5分NO8渡辺TG、7分FB立川TG、13分渡辺T、24分CT小山田TG、34分立川TG(計10T9G、54点)
三洋--5分PG、後半18分WT小林T(計1T1PG,8点)

◎前半はまだしも、後半10分で勝敗は決まった。三洋のデイフェンスが次々突破されると、これがベスト8のチームとはとても感じられなかったが、とにかく東芝の突破力が三洋を切り裂いたことは明白である。東芝は次の対戦はリコー。先取点を挙げて、余裕ある戦い方を見せて欲しいものである。
サントリー-3分インターセプト→小野沢TG、25分モール・ラック→CT浅田TG、30分FL阮TG、後半2分CTウルイナヤウ→北条TG、5分SO伊藤→FL北川→ウルイナヤウTG、25分小野沢TG、28分小野沢T、32分ウルイナヤウ50m独走トライTG(計8T7G、54点)
神戸--37分八つ橋→増保TG、40分PG、後半8分八つ橋TG,35分WT平尾T、38分増保T、40分ホラTG(計5T3G1PG、34点)

◎サントリーの総合力が完全に上回っている事を示した一戦であった。神戸ファンには申し訳ないが、昨年の社会人、日本選手権のサントリー戦が神戸製鋼の神話の終焉であったようである。今や、完全に並みのチームに成り下がったようである。スピードで劣り、個々の強さで負けていたのがすごく印象的であった。小野沢のステップ、ウルイナヤウの突破力に対し、十分な反撃も加えることなく、次々抜けてくるのを呆然とファンは見ていた。終盤の得点は何かサントリーからわざわざ献上してもらったような感がしないでもない。ミラーが前半20分で負傷退場したことも痛手であったろうが、それ以上に華やかさのない試合展開であったことが侘しさを誘う。トップリーグまでに、以前の煌びやかさを取り戻して欲しいものである。
NEC-辻→浅野TG、29分PG、40分モール→網野TG、後半19分モール→網野TG(計3TG1PG、24点)
ヤマハ-7分PG、14分CTマットソン→LO中野TG、21分PG、後半1分PG、4分PG、33分マットソン→FB四宮T(計2T1G4PG、24点)

◎両チームデイフェンスが良く、攻め込んでもなかなかトライに持ち込めない。後半19分のNECのトライ、33分のヤマハのトライが10分近い攻撃の結果であることを考えると、組織デイフェンスがいかに機能しているかがわかる。アタックで執拗な粘りを見せて、デイフェンスに根気良く穴をこじあけることが必要な感じを強く受けた。それにしても、NECは得意なパターンでトライをもぎとり、好調振りを示した。次は難敵サントリー、好勝負を期待したい。

☆東芝府中21-14リコー     サントリー35-23NEC

東芝-11分LO→モール→WTB石川中央左にTG、26分中央スクラム→密集サイド攻撃→右にSO品川TG、後半38分石川抜け出しそのままTG(計3TG、21点)
リコー-34分左ライン攻撃でWTB太田→LO田沼TG、後半41分ゴール前の攻防→PR佐々木TG(計2TG、14点)

◎雨天での試合という事もあって、両者ともにアタック時のミスが目に付き、とりわけ後半はチャンスを逃す場面が多かった。さすがに、デイフェンスは堅く、とりわけゴール前ではなかなかゲインを許さず、得点差が開かなかった。しかし凡ミスも目立ち、緊迫感がそれほど感じれなかったのが寂しい。
サントリー-16分FL阮TG、後半9分WTB小野沢TG、18分小野沢TG、28分SH田中TG、38分田中TG(計5TG、35点)
NEC--13分FB白濱TG、19分PG、後半5分PG、13分PG、43分TG(計2TG3PG、23点)

◎サントリー、先攻されて、反則が多いせいもあって多く苦しい展開だったが、後半に入るとフィットネスの高さを見せ付け、最後はNECの足が止まりはじめると、どんどん前に出て息の根を止めた。NECはロスタイムに入ってから意地のワントライを返すのが精一杯になってしまった。

☆サントリー38-25東芝府中

サントリー-3分ラック→FB栗原→WTB小野沢左サイド突破TG、30分P→SH田中→CTBイエレミアTG、後半13分P→田中→SO伊藤TG、16分モール→田中→栗原裏に抜けて50m独走T、39分東芝ゴール前P→FL若松TG、41分小野沢→NO8大久保T(計6T4G、38点)
東芝府中-6分PG、17分モール→FL宮下→LO横山T、34分モール→NO8ホルテンT、40分ターンオーバー→SH伊藤→CTB小山田→CTBマクラウド→WTB松田→WTB石川TG、後半44分モール→ラック→NO8バツベイT(計4T1G1PG、25点)

◎決勝戦にふさわしい緊迫した試合展開が後半38分まで続いた。若松、大久保の連続トライで勝負は決まったが、それまでの両者の集中力は見事なものであった。東芝は、前半先制されたにも関わらず、サントリー顔負けのつなぐラグビーでハーフタイム寸前にトライを奪い、前半リードで折り返すも、後半はサントリーのアタックを止めるのに精一杯で、ボール支配権を奪われていたのが痛い。35分頃に絶好のチャンスをもらいながら、マイボールラインアウトを確保できずに終わり、最後まで流れを変える事が出来なかった。それでも、戦前の予想に比し、それほど戦力差を感じさせない試合は、正直楽しめたように思う。今年のベストゲームに押したい。

☆NEC26-0関東学院    サントリー72-12帝京大学

NEC-2分ラインアウト→モール→PR久富TG、8分ラインアウト→モール→NO8箕内TG、16分ギャップをついてFLマーシュTG、後半37分箕内強引に飛び込むT(計4T3G、26点)

◎後半、関東学院ボールを支配して攻め続けるが、ゴールを割れない。お互いデイフェンスは堅固で、組織的に守れていたように思われる。デイフェンスのプレッシャーがきついのか、ノックオンが多く、通ればトライチャンスという時にミスが出たのが残念である。アタック面では、NECも攻め手を欠くというか、FWでゲインしてもBKに良いボールが出ず、決定力がなかったように思われるが、これが今後の戦いにどうでるか心配である。
サントリー-1分CTBウルイナヤウの突破→FB吉田T、9分WTB北条→CTB山口T、17分LO早野30m独走トライTG、20分NO8大久保TG、23分吉田T、30分山口T、36分WTB瓜生T、後半4分早野抜け出してトライTG、18分CTB浅田TG、25分LO脇T、32分SO沢木TG、40分吉田50m独走トライTG(計12T6G、72点)
帝京大-3分スペース見つけてWTB柏原TG、後半8分柏原T(計2T1G、12点)

◎帝京が誇る快速WTB柏原が、その俊足ぶりを見せてくれた。サントリーの油断でもあるまいが、スペースを与えられてボールをもらったときの役割をしっかり果たしていた。サントリーでは、LO早野が関東ディフェンスの裏に抜けたときは、FWと思えぬ走りで振り切っていた。サントリーは、メンバーを落としながらも、準レギュラーの活躍で今後の試合に自信を深めた事であろう。

☆NEC29-5東芝府中   サントリー52-24リコー

NEC-6分PG、25分PG、後半4分PG、10分認定TG、16分FB白濱T、37分PG、41分WTB田中T(計3T1G4PG、29点)
東芝府中-後半31分渡辺NECデイフェンスの裏に抜けてT(計1T、5点)

○雨天の下での試合ということもあり、両チームとも工夫していたと思うが、セットプレー(スクラム、ラインアウト)でのNECの優勢の中、試合は進んだ。スクラムでのペナルティの多さ、ラインアウトの獲得率(NECは全部確保、東芝は10本のうち4本しか取れなかった)の悪さで、東芝は完全に受身に回ってしまった。攻めては前に出られない。守っては、ゴールを死守していてもペナルティを取られ、PGを決められる。自分達のペースになかなか持ち込めなかったのが、東芝の敗因であろう。
サントリー--22分WTB小野沢TG、34分SO伊藤TG、39分WTB吉田TG、後半3分吉田TG、7分吉田TG、25分小野沢T、28分LO早野T、41分CTBウルイナヤウTG(計8T6G52点)
リコー---29分FL後藤TG、後半11分WTB斎藤T、22分認定TG、33分HO滝沢T(計4T2G24点)

○リコー、サントリーともデイフェンスがよく、両チームとも前半なかなか得点を挙げれない。10分過ぎまでは、サントリーボール支配率79%とダントツに有利な試合展開をしながら得点に結び付けられない。ようやく連続攻撃から小野沢が上手く抜け出す。継続ラグビーの真髄を見せるかのように34分、39分と大きくゲインするとトライに結びつけるところはさすがと言いたい。後半に入ると、3分、7分と自陣ゴール前からの展開継続ラグビーで見事トライをあげると、サントリーペースと思いきや、リコーも11分中央での14人モールから、WTB斎藤に回してトライ、22分には13人ラインアウトから。滝沢が飛び込みトライをあげるなどしたが、サントリーの牙城を崩すには至らなかった。

☆NEC36-26サントリ―

サントリー-10分FB小野澤キック→NEC熊谷キャッチミス→小野澤ボール拾いLO早野にパスT、22分自陣10m付近からH→I→D→C早野大きくゲイン→J→CTB浅田TG、後半5分P→H田中→NO8大久保TG、24分ラインアウト→ラック→HO坂田TG(計4T3G26点)
NEC--18分ラインアウト→モール→PR久富TG、35分久富のタックルでターンオーバー→H→B東大きくゲイン→CTB川合→SH辻→川合T、後半15分WTB田中が右サイドを突破→P→H→F→HO網野T、32分SO大東巧うまいステップで大きく中央突破→スクラムで箕内ダミー→FLマーシュTG、34分左サイドK→WTB窪田TG、38分ターンオーバーで窪田左サイド走り抜けるT(計6T3G36点)

◎NEC、持ち前の堅いデイフェンスで、サントリーの攻撃でゲインを切らさない。それどころか、再三ターンオーバーで積極的な攻めを見せて、前半12-12で終える。後半5分サントリーが連続攻撃を見せて、一瞬の隙をついてトライし、サントリーお得意のリズムになりかけたが、NECも粘り強いデイフェンスで守り、サントリーのリズムがなかなか生まれない。32分箕内のダミーによるマーシュのトライがあり差は2点。続いて34分、うまく左サイドを突破俊足WTB窪田がゴールに飛び込み逆転(26-31)。そして、39分サントリーの渾身の攻めを見せるが、ボールが足にあたりNEC側に出る。それを拾った窪田が、スペースを見つけて快走。ウルイナヤウ追うも追いつけず、右隅に飛び込んだ(26-36)。これでロスタイムに入るが、サントリーも焦りがあるのか地に足がついていない状態で、10点差をひっくり返す事はできなかった。サントリー磐石の体制と思われたが、NECは負けてもともと開き直りの自然体で試合に臨んだ事が、勝利を呼び込んだようである。NEC、初優勝おめでとう。トップリーグは、これで俄然おもしろくなった。