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2002.1.21記載 日本選手権の意義私論 |
学生と社会人対決が、結果的に大差となる現状から、日本選手権の存続に疑義を呈する意見が続出していると聞く。試合の勝ち負け、観戦の緊張感のなさ、そのようなものにスポットをあてると、意味がないと考えるのも無理はない。 とはいえ、学生側の対処をもう少し工夫をこらすことで、試合観戦の趣が意味合いを変える場合もまだまだあるように思われる。個人のあたりの強さで、チーム力に格段の開きが出ているのは間違いないと思われる。チームとしての熟成度も、社会人に利がある。この構図ははまさに、ジャパンと外国チームとの対戦にもあてはまることではなかろうか。、学生チームが凝らす社会人対策の創意工夫は、ジャパンの試合にも応用されることであり、その意味において、学生側の努力に期待する事、大である。 社会人チームにしても、ごり押しの力攻めではなく様々なアタック、デイフェンスを総合的に点検して修正できる機会である。社会人同士では、どうしても勝敗に固執するあまり試せない事が多々あるのだから・・・ ところで、今年の高校、大学、社会人の覇者はそれぞれデイフェンスが安定したチームであり、ボール支配権を継続していこうという意図がよく読み取れた。選手個々が、その意識を明確にもって、チームとして機能していたことが伺える。明確な戦略の下、チームとしてのまとまりがより強いチームが勝ち抜くシーンは今後とも続くであろう。力押しの勝利ではなく、理詰めの戦いを演じきれるところが最後の勝者となるであろう。 |
2001.12.12記載 ラグビーは意外な展開があるから面白い |
私の予測は、下記の記載どおりにはいきませんでした。大学チームでは、大東文化が意外に脆かったこと(ただし、ここは大学選手権で大化けすることが多いので要注意)。そして、慶応がデイフェンス面で穴があり、早稲田に大敗したこと(これは、早稲田のスピードが慶応の予想を上回る速さがあったからだと思われる)。社会人では、眠っていた巨人(トヨタ)が、神戸戦で蘇ったこと。ワールドが近鉄に力負けしたこと。また、東芝府中もリコーにあわやの敗北を喫したこと。これらは、戦前の戦い振りからすると、意外な展開であった象徴的な試合となった。 ことほどさように、ラグビーには思わぬ展開が生じるので、ますますのめりこんでしまう要素があふれている。もちろん、フィットネスが落ちないチームは強い。そして、選手個々のコミュニケーションがしっかりできているチームは負けない。ラック、モールそれぞれの接点における強さ、スピード、そして個々の選手の局面局面での判断能力が高いチームが勝ち残っていく。出場選手のスキルが同じでも、サポートプレーを意識するかしないかで、勝負は決まってしまう。一瞬の判断、それを大切にするチーム。それができるチームが頂点に辿り着ける。好プレー、好試合を期待したい。 |
2001.11.18記載 全国大会に進むチームほぼでそろう |
少し気が早いかも知れないが、大胆に各リーグの順位予想と全国大会進出チームを予測して見ました。参考にしていただければ幸いです。 (関西大学リ−グ)全勝がなくなり、1位争いが分からないが、立命が京産大に勝つ確率および同志社が近畿台に勝つ確率も高いので、立命の優勝が濃厚と思われる。以下同志社、近畿大、大体大、京産大が全国大会に進みそう。 (関東大学リーグ)関東学院-法政戦で優勝が決まるが、関東の方が分が良さそう。ここは3位争いが熾烈。大東文化、中央、日大の順番か。 (関東大学対抗戦)慶応、早稲田、明治の三つ巴だが、慶応の安定した戦い振りを見ると、慶応優勝早稲田、明治、帝京、日体大の順番か (東日本社会人)サントリ−-NECの決定戦だが、サントリ−優勢は動かず。NEC、クボタ、東芝府中、セコム、リコーの順番か。 (関西社会人)神戸製鋼の優勝、ヤマハの2位が確定。3位のワ−ルドも堅そう。トヨタの4位は意外だがFWがあれだけ不安定であれば仕方が無い。以下、近鉄、豊田、カネカ、本田技研で順位は決まりそう。 (西日本社会人)サニックス、九州電力、コカコーラで決まりと行きたいが・・・ |
2001.7/7記載 カナダ戦は今後の強化策を考える良き機会となる |
☆向井ジャパンの正念場がやってきた。韓国戦はともかく、ウエ−ルズ、サモアは明らかに格上のチ−ム力を有していたが故に、歯がゆい思いで観戦したものの、今回のカナダ戦は十分チ−ム力の上においても伍して戦える相手である。ただし、セブンズのアメリカの躍進を見るまでも無く、どのチ−ムも強化を進めているので、どちらが去年よりも強化できているかは、今年のカナダの試合を見ない限りは何ともいえない。 ☆ただし、これだけは言える。個々のフィットネスという面では、まだまだ余力を残しており、この部分を日本代表候補たちは確実にアップしないと、強豪国に勝つチャンスなど永久に現れない。そして、監督が変わるごとに方針が変わるという悪弊も断ち切るべきである。継続的な強化策を抜本的なものとして行っていかなければ、一朝一夕で強くなるはずもない。前監督の財産を全否定するのではなく、良いところはしっかり継承していかなければいけないのではないかと考える。新たなるプロ化という道をたどろうとしている今、チ−ムとしてのまとまりが出てきた今だからこそ、7/8のカナダ戦が終了すれば選手個々のフイットネス向上のトレ−ニングメニュ−を提示して来年までしっかりこなしてきてもらうことが大切である。さらには、もう少し長期的な合宿でチ−ムとしてのまとまりを作る必要があると思われる。その出発点としてカナダ戦をしっかり戦ってもらえればと考える。 |
◎◎全国大会で上位に残ったチ−ムは、押しなべてニュ−ジランドやオ−ストラリアといった世界の強豪チ−ムの戦い方を模倣して、「継続」を目標にボ−ルを蹴らずに回すことで勝利を目指した。これは、東芝府中が「PからGO」をスロ−ガンに連覇を果たした頃から目指しているラグビ−が、さらに進化したものと受け止めて良いであろう。けれども、まだその進化が完成されていないためか、逆にその欠点を露呈したためか、柔軟に対応した関東学院が大学選手権を制し、伏見工業が高校選手権の覇者となった。他方、継続ラグビ−を最も具現化したサントリ−は後半終盤で逆転を遂げ勝利するかと思われたが、これも準決勝で神戸製鋼に敗れた。大学チ−ムでは、昨年の覇者慶応、今年優勝を目されていた同志社が、繋ぐ事に固執するあまり、試合展開に十分対応できず、やはり準決勝で敗退していった。 ◎◎ラインアウトその他で、ボ−ルの主導権を握っているチ−ムが圧倒的に優位になる現在のル−ルの中で、継続は半ば必然的である。その証拠に、自陣ゴ−ル前から回すチ−ムは以前にくらべ格段に増えており、やむを得ず蹴る状況以外では、まずタッチに蹴りだすという選択はほとんど見られなくなった。けれども、勝ち上がっているチ−ムは、実に見事なほどにキックを多用している。関東学院が法政戦で見せたディフエンスの裏へのキックは、着実に防御網を崩していったのである。回すことに固執すると、相手ディフェンスが厚いと、なかなか突破できず攻撃疲れを起こし、タ−ンオ−バされる機会がどうしても増えてしまうようである。相手チ−ムと比べて圧倒的なフィットネスがあれば別だが、そうでないならばいくつかの別の攻撃オプションを備えることが是非とも必要である。これは、ジャパンが抱えている問題でもあるはずだし、体格うんぬんというよりは、状況に応じいかに柔軟に対応できるかというチ−ムとしての対応力の問題にどうしても帰結せざるを得ないのであるが、これがさらに「継続ラグビ−」を進化させることになるのは間違いないであろう。この問題の回答は様々であろうが、各チ−ムがそれぞれに克服して来年進化してくることを祈ってやまない。 |
宿沢向井体制の門出を機に、ジャパンは独自戦略の構築を目指せ |
☆平尾前獲得の辞任を受けて、宿沢広朗氏の日本代表強化委員長、向井昭吾氏の日本体表監督の就任が決まった。新生ジャパンは、プロ選手契約をするということだが、これを機に眼前の勝利にこだわるあまり、長期的視野の強化策を犠牲にすることなく、日本独特のラグビ−スタイルをまず確立する事が大切である。長期的視野に立ち、1軍2軍あわせて30人程度のスコッドをほぼ固定させて、その選手たちの能力を最大限に発揮させる戦術を作って戦うことが急務である。そこには、現在核になっている選手もいれて、彼らの力を借りながら、3年後に核になる選手を想定し、育成していくことが必要である。その過程で、少しずつ選手の入れ替えはあってしかるべきだが、少なくとも選出した以上一年は様々な場面で試してみるべきだ。区切り時のスコッドの入れ替えも最小限にとどめて、日本ラグビ−のスタイルを維持する方向で強化していく事が大切である。 ☆社会人選手とはプロ契約をするということだが、これでフィットネス面および戦術面で、従前とは格段の進歩が期待できる。チ−ム戦略に合う潜在能力のある選手を見出し、長期的練習計画をたててチ−ムプレ−の錬度をあげていく事がようやく可能になったのである。幸い新首脳陣は、公平な選手の選出をはかると公言している。明確な基準で選び出されたスコッド、準スコッドにはそれなりにジャパンに対する愛着心誇りを持つようになる。また、代表辞退という現象も少なくなるであろう。日本独特の戦い方を確立し、たとえ負けたとしても観客が見ごたえのある試合をやれるようになれば、ラグビ−ファンは自然と増えるはずである。勝利を追求することも大切だが、感動を生むようなプレ−を期待したい。 |
新生ジャパン39名決まる--プロ化第1弾-- |
☆選手詳細については別項に譲るが、選考された選手の顔ぶれはほぼ予想通りで、力のある選手とやはり首脳陣の好みかなという選手が入った。選考の際の基準を明確にするということだったが、それがでれば納得できるだろうが、フイットネスで最高値をマ−クした伊藤護が入っていないのが気になった。ともあれ、チ−ムとして必要な選手は、体力的な数値だけで選ばれるわけではないし、ポジションへの適応力、選手枠、戦術面から求められる選手はまた違うであろうから、一概に断言はできないが、より明確な基準をはっきり示すことが、チ−ムの勝敗とともに必要であろう。これからの練習過程を経たジャパンの成長に期待したい。(この項途中) |
代表合宿辞退相次ぐ |
☆首脳陣は予想していたのだろうか。これほどの合宿辞退が出ることを---。新生ジャパンの船出に10数名の辞退。前平尾監督もこれに頭を悩ましていたのであろう。確かに負傷の治療はあるだろうし、シ−ズン終了時の故障個所を治しておきたい気持ちも分かる。とはいえ、程度の差で十分プレ−ができる選手も多いはずである。30名あまりの選手の中で半数が辞退とは、これではサッカ−と比べるべくもない。 ☆残念ながら現状では、徐々に日本代表のステ−タスを上げて行く以外に方策はないであろう。また、今年から支給される報酬を改善していくことも大切であろう。社会人の場合、チ−ム存続の危機に瀕しているところもあるだろうし、立場上やむをえない面がある事も理解できる。けれども、これは「にわとりが先か、卵が先か」と言う議論になってしまうようだ。長い目でラグビ−が日本に存続するためには、広く国内で認知されることがベストなのである。国代表が、国際大会で良い成績を収め、年少からプレ−する環境が整えられることが、結局は国民の注目を集め、ラグビ−人気が永続されるのである。卑近的な考えに陥らないことを切に望みたい。 ☆戦略方針としては、「スピ−ドと継続」これにつきる。そのためには、個々のフィットネスを十分にあげるとともに、チ−ムとして機能するためにも選手相互の精神的信頼関係の構築が必要である。そういった意味では、再三再四合宿を行い、合同練習による連携プレ−の精度向上を行う必要がある。体格の差はあっても、フィットネスで負けなければ勝機は必ず見出せる。新生ジャパンの活躍を心から願っています。 |
2001.5.6記載 セブンズで見る強豪国との違い |
☆2人でタックルにいっても倒れない。倒れたとしても、その前にボ−ルをつなぐ上手さ。鍛え方が違うのだろうか。相手の人数を減らすことが基本的な戦略ならば、日本はその段階でハンデイを背負っている。7人制では、この溝を埋めるのはとてつもなく大きい。昨年はプレ−トで優勝したこともあって感じなかったのだが、今年は痛感させられた。これは、世界各国の強化策が上手く機能しているためだろうか。そうであるならば、格差は広がっていると考えてしかるべきである。 ☆シックスネ−ションズのイングランドの戦い方を見ていても、イングランドは確実に強くなっている。体格が大きくなり、スピ−ドがついている。これは真剣な取り組みが功を奏しているからであろう。ニュ−ジランドやオ−ストラリアも毎年強くなっている。従来と同じと想定して、強化策を練るだけでは永遠にこの差は埋まらない。決然とした姿勢で、日本ラグビ−界が総力を挙げて取り組まなければならない。一介の市井人が何を偉そうな事をぶってと受け流すことも可能だろうが、そして闇雲に動いてもどうなるものではないだろうが、日本代表のステ−タスを上げ、真の実力強化を目指して頑張ってほしいものである。ベストの布陣はなかなか組めないだろうが、日韓戦、ウエ−ルズ戦を「これぞ日本の戦い方である」という戦い方ができることを心より期待してやまない。 |
2001.5.20記載 韓国のスピ−ドに学べ |
☆オフサイドをものともせずという意気込みで飛び込んでくる韓国選手、パスのスピ−ドも早い。日本が強豪と互して戦うために必要なスピ−ドを韓国は持っていた。確かにレフリングの問題として、韓国のオフサイドをあまり取らなかったことも問題だろうが、そのために日本が苦戦を強いられたわけでもなかろう。キックオフのボ−ルを取れなかったことをはじめ、ラインアウトの不安定さが結局は苦戦の原因となった。その上に、韓国のデイフェンスの早さが日本を苦境に追いやったと考えられる。 ☆スピ−ドだけで勝てるほど強豪国は甘くない。けれども体格に勝るには、スピ−ドで上回ることは一つの選択肢である。相手を上回るトレ−ニングをした上で、戦術面で優位に立てる方策を立てる。これが強豪国との差を縮める唯一の道ではなかろうか。そういった意味で韓国が日本を苦戦させたことは見習うべきである。理論面では韓国よりは数段先を進んでいるのだから。 ☆サッカ−のスペイン戦で0−1で負けた日本代表は、ヨ−ロッパでは散々な評価だと聞く。守りに徹した戦略が駄目なのである。ラグビ−は実力以上に点差が開くスポ−ツである。だからといって、負けない戦いをしても、賞賛は受けられない。小なりとはいえ、実力以上の能力を発揮して戦うことこそ観衆の賞賛を浴びるのである。これこそ日本流の戦い方だということを示せる戦術を目指してほしいものである。前途は困難であろうが、だからこそやりがいがあるはずである。選手の能力を最大限に発揮できる試合を演出することこそ、日本代表の使命である。 |
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