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春期観戦記

7/1   日本代表15−29フィジー代表

日本ー6分PG、29分PG失敗、後半23分右隅WTB武井TG、31分ラインアウト→こぼれたボールを拾ってFLオライリーT(1PG2T1G計15点)
フィジーー10分PG、16分TG、41分T、後半36分H→QTG、50分TG(4T1G1PG計29点

○前半の出だし、上手くボールを支配して、日本が押し気味に進めたものの、相手のディフェンスに阻まれてチャンスを生かせず。逆に、日本のミスからチャンスを生かして、ギャップをついてトライを16分に挙げたフィジー。前半ロスタイムにも、日本代表のディフェンスをかく乱して、ギャップを作りトライを奪う。後半必死の攻撃を見せる日本。前半の失敗を意識して、ギャップを作らずにしっかりした防御を見せる。その努力が実って23分右サイドで執拗にモール攻撃を繰り返しフィジー代表のNO8ドビベラタがシンビンで欠けた直後、武井が飛び込んで初トライ。また、31分にはPKからのラインアウトでこぼれたボールを拾ってFLオライリーがトライ、同点に追いつく。けれどもそこからがフィジーの本領発揮。36分上手いパスで、日本のディフェンスを突破大きくゲインすると、あっという間にトライを奪われる。日本はその直後から攻め続け、ロスタイムに入ると、全員がモールに入り大きなチャンスを迎える。しかしながら、ロスタイムも8分を越えたところでフィジーにボールを取られて逆にトライを奪われてノーサイドを迎える。
 オールブラックスJに大善戦したこともあって、今日の試合では良いゲームを期待していたのだが、まさにその期待を裏切らない好ゲームであった。惜しむらくは前半ロスタイムでの失点がなければもっと競った試合になるような予感がする。

6/24  日本代表8−38オールブラックスJ

○一番の進歩は、後半点差が開いても気持ちが切れなかった事である。FB三宅の機転の利いたキックで意外にあっさり(それまでの相手チームのディフェンスに比べてあまりに淡白な防御であったことは否めないが)、とはいってもそこまで70分近くを消化していたわけであるが、トライを奪えた事が頑張れる要因になったかもしれない。
 100点差もありうるという前評判であったにもかかわらず、しつこいディフェンスでオールブラックスJの選手たちを自由に走らせなかったことが、この結果に結びついたのであろう。そうであるならば、ようやくFWが機能し始めたのだと考えられる。これまでは、接点で個々には頑張っていたのだが、ボールを支配し続ける為には、相手より人をかけてしまい、その分疲労するという悪循環の中でやらざるを得なかった。そのためハーフ陣が不用意なキックを多用するということも多かった。少なくとも、この試合に関しては、ディフェンスの頑張りが、気持ちの持続につながり、トライへの執念を断ち切らなかったのだと思われる。来週のフィジー戦が楽しみになった。

6/11  日本代表6−52イタリア代表

日本ー前半3分PG、後半8分PG(2PG6点)
イタリアー前半7分5mスクラム→一気に押し込むGTG、15分ラック→H→C→I→K→NTG、24分ゴール前で日本FBを捕まえる→ラック→H→JTG、43分PG、後半4分Iキック→KキャッチそのままTG、24分Iキック→ラック→C左隅TG、41分Kキック→追走KTG、43分日本ノックオン→展開MTG(7TG1PG計52点)

○シックスネーションズで強豪チームに揉まれながら力をつけてきたイタリア代表。昨年とは違い、今年は本気モードでの戦い。まず、日本代表との大きな違いは毎度課題となるフィジカルの違い。真正面からしかも低く入らないと止められない。今日の試合でもしばしば弾き飛ばされる場面に遭遇した。プレーのスピードで上回りたいのだが、その点に関してもイタリアが勝っていた。
 プロ化の進行の影響か、プレーの選択に対してフォローが早く。ディフェンスの意識においては日本の比ではない。たとえば、SOがキックをする。そのプレーを待っていたかのように複数の選手が追っている。練習の成果と言えばそれまでかもしれないが、ほとんどの選手が次のプレーを予測して動いている。それが結果として生きている。日本が苦し紛れにキックするのに対し(意図したキックもあると思われるが、ことごとく相手選手が居るところ)、イタリアのキックはディフェンスの裏へのキックであり、キックパスである。ビッグチャンスを作るぷれーになっていたのが印象的であった。残念ながら、ますます世界の上位国とは実力が開いている事を実感させられたゲームであった。唯一救いは、トンガ戦にくらべて必死さが伝わってきた事ぐらいである。

6/4   日本代表16−57トンガ代表

日本ー(前半)14分モール→Jオト左中間TG、40分PG、42分PG(後半)8分PG(1TG3PG計16点)
トンガー(前半)1分FW突進→GTG、19分PG、33分ターンオーバー→JT (後半)2分PG、5分ラインアウト→N→F→ETG,14分密集サイド抜けて→CTG、20分Lキック→L→MT、25分PG,28分RT、34分GTG、41分Q右隅T(8T4G3PG計57点)

 前半は、トンガも連携が上手くいかずボールを支配している割には得点を挙げる事ができず均衡した試合となった。 後半に入ってPGで点差を広げたあと、ラインアウトからチャンスをつかみ突破力のある3列とバックスの連携がかみ合いだしてからはトンガ選手の動きがますます良くなった。
 日本チームは、全般にタックルが高く、その上選手個々が地力で劣っている為、ボール奪取に人手をかけなければならない上に、スクラムで完全に押されるなど、トンガに対して有効な手を打てなかった。救いはモールがうまく組めた時にゲインできていたのだが、実ったのは1回だけであったのが残念である。前半にもう少し得点して、トンガ勢をあわてさせていれば面白かったかもしれないが、試合の主導権を一度も取る事ができないまま、トンガペースで試合が進んでいった。
 身体能力で1対1では勝てないことを前提に日本が勝利を見出すとすれば、一発で止められる的確なタックルと密集で絡まれる前にボールをだせるかどうかだと思われるが、サポートプレーやポイントに到達するスピードで相手に遅れを取っていては勝てない。相手にボールを渡すチャンスを与えない早いパス回し、そしてリズムを作らせなくするキックなど工夫することは多い。パシフィックネーションズは、強豪に勝つための課題を見つける試合である。日本代表の前途の厳しさを思うと同時に可能性を見出す機会になれば幸いである。

5/21   同志社33−40近鉄   神戸製鋼14−47トヨタ

同志社ー@小野田A海本B岩崎→吉田C前川→澤田D林E洪F浦田→植村G深澤H飛野→河野I宮本J桑原K森田L南M宇薄N橋野

同志社ー2分K森田TG、25分キック→KTG、36分カウンター→M→A→K→L南TG、45分C前川スペース見つけてTG、64分N左サイド抜けて→I宮本T(5T4G計33点)
近鉄ー6分ラインアウト→モール→GトーエツTG、19分Gスペース見つけてTG、28分スクラム→J松井T、38分H橋本ギャップ抜けて裏へ→I坂本TG、73分モール→浜辺TG、80分チャンスから→ITG(6T5G計40点)

○近鉄FWを押す場面も見られるなど、同志社FW健闘といえば健闘した一戦となった。それでもアタックの場合は、抜け出た選手をサポートするのが遅い。逆にディフェンスではサイドを抜かれた場合に、防御網の下がりが遅い。スローペースであったがために、取ったり取られたりのシーソーゲームとなった。まだまだ春である。両チームとも課題をしっかり見つけて修正に取り組んで欲しいものである。同志社は、セットプレーの安定を心がけるとともにスピードをあげる練習を心がける事。
神戸製鋼ー@平島A村上→南條B石井→北川C林→吉田DウイリスE野沢F辻井Gマバカイトロ→池上H後藤I今村J市来→ホラK元木L竹下→大川M小笠原N大門
トヨター@高柳→山本A七戸→岩間B豊山→高柳C平塚D北川→谷口EホルアF遠藤G菊谷→菅原H麻田→茂木I廣瀬J久住K難波L山本→赤沼M水野→岩本N正面
神戸製鋼ー48分ホラ抜けて→L竹下TG、66分後藤ギャップついてチャンス→スクラム→H後藤TG(2TG計14点)
トヨター5分G菊谷TG、16分モール→GTG、30分J久住絶妙のステップTG、35分モール→EホルアT、57分岩本、正面絶妙のコンビネーションTG、68分I廣瀬今村かわしてTG、74分岩本抜けて→N正面TG(7T6G計47点)

◎個人能力ではトヨタが勝っている。その戦力差がもろにでた前半。後半に入るとチームとしてのまとまりがある神戸製鋼が一矢報いた形となる。とはいえ、H後藤一人が相手ディフェンスのギャップを見つけてチャンスを広げていた。今年も苦しい戦いが続きそうな予感がする。

5/14  京産大29−17立命館   同志社0−79早稲田

京産大ー@後藤A小西B山下C河嶋D坂野E橋本F山田G平野H田中I大熊J宋K今村L石蔵M植村N吉瀬
立命館ー@平山A猿渡B熊坂C槙原D近藤E家長→木村F長倉G藤本H増田I林→森本J大谷K加藤L清瀬M水沢N高山
京産大ー11分E橋本TG、45分5mスクラム→M植村T、70分パスつないで→JT、77分H田中ギャップついてTG、80分PG (計4T3G1PG29点)
立命館ー29分J大谷T、40分I林TG、77分ラインアウト→A猿渡T(3T1G計17点)

○後の試合に比べて、テンポのスローさは否めない。点差的には面白い試合だったが、両チームとも決定力を欠く。京産大H田中は独自の嗅覚でよい動きをするが、その動きに回りがついていけていないのが残念である。立命館は、昨年よりは面白いチームになりそうな予感がする。
同志社ー@大槻→小野田A海本B岩崎→吉田C澤田→内田D植村→浦田E洪F林G深澤H菊竹→飛野I宮本J桑原→南K大橋L森田M宇薄N橋野
早稲田ー@滝沢A臼井→久保田B畠山→橋本C近藤→権丈D関E東条FつげきG豊田H弥富→三井I曽我部→田中J巴山K谷口L佐藤M菅野N五郎丸→早田
早稲田ー1分Iキックパス→GT、10分MT、15分LT、25分スクラム→GTG、28分Iキックパス→MT、37分Lギャップ衝いてTG、42分N裏に抜けて→LT,50分ワイドな展開→GTG、54分Gスペース見つけてT、60分ターンオーバー→キック→早田好走→GTG、63分ワイドな展開→FTG、72分ラインアウト→モール→権丈TG、83分インターセプト→GTG(計13T7G79点)

○同志社完膚なきまでに叩きのめされる。プレーのスピードの差、そしてFWのセットプレー(とりわけスクラム)、そして組織プレー(サポートプレーをはじめとする)の差。1対1で負けている上に、パスやサポートでも上回れず、完全に力の差を感じさせる一戦となった。
 FWを立て直せばとか、個々のフィジカルの強化といったレベルではない差を感じさせた。この差をどこまで埋める事ができるのか。それがこれから半年間の同志社の課題である。戦術面でも、ボールをワイドに振ることでギャップを見つけては裏に抜ける早稲田のプレーに対し、少しずつ対応が遅れて抜かれる場面がしばしば見られた。とはいえ、絶望的ではない。FWの強化はこれからいくらでもできるし、フィジカルな面やフィットネスの面でも対応は可能である。もちろんどのチームも条件は同じなのでこの差が縮まらないこともありえるが、そこは同志社。秋にはこの敗戦を教訓に、不死鳥のようによみがえった姿を期待する。
 なお、プレーのスピードを上げるようにしなければ、勝ち味はない。関東勢と関西勢の究極的な差はこの2,3年そこに尽きるような気がする。フィフティーンが早稲田のスピードについていけるだけの技術。フィットネスを身につけることがまずは打倒関東勢を果たす最初の目標ではなかろうか

4/23  日本代表50−12韓国代表

日本ー10分ラインアウト→モール→@久富TG、12分ターンオーバー→H伊藤→I大西→K吉田→L遠藤→N武井TG、26分ラインアウト→モール→JオトT、31分M大畑→F中居→H伊藤TG、41分H→I→L→K吉田TG、後半1分H→Iキック→K→D佐藤TG、3分M大畑T、45分M大畑T(8T5G計50点)
韓国ー後半19分ギャップ衝いて裏に抜ける→HTG、39分ラインアウト→モール→@TG(2T1G計12点)

 アラビアンガルフ戦の大勝はあったものの、今年の日本代表に関してはなんとも不安を抱かずにはいられなかった。その心配が的中したかのように立ち上がり日本はもたもたする。SO大西のキックオフで攻め込んだものの、ノックオンでピンチを招き徐々に押し込まれて5分には自陣5mでの相手ボールによるラインアウト。なんとか押し戻し7分には初のスクラムをなんとか互角で持ちこたえる。そして8分、韓国FBがボール処理をいそいでダイレクトタッチ。相手ミスによって、日本がチャンスをつかむ。10分、ラインアウト→モールという堅い戦術で待望のトライを生むと、12分にもデイフェンスの出足よくターンオーバーから一瞬にしてボールがつながりトライを奪う。一進一退はあるものの、試合の流れは日本にきており、26分オトが持ち込んでトライ、31分はSH伊藤が相手ディフェンスの隙をついてトライ、41分にはバックスの胸のすくようなパスが決まり吉田が飛び込んで33−0。ハーフタイムをはさんで、後半1分佐藤のトライ、3分には大畑が貫禄の61トライ目。日本のペースで試合は終わりそうだったが、そこからがいただけなかった。メンバー交替によるものか、パスミスによるノックオン、すろーフォワードなどで、リズムが崩れ始める。その間隙をぬって韓国にデイフェンスを破られる。ノートライで押さえ込めることができなかった。
  意識としては来年に向けて、勝利への執念を見せて、密集サイドの突破を防ぎ、アタック面ではつなぐ姿勢が見えていた。そういう意味ではチームとして機能し始めていると感じられたのだが、その印象でノーサイドを迎える事ができなかったのが残念である。グルジア戦、そしてファイブネーションズ、イタリア戦と7月始めまでテストマッチが続くが、新生日本代表の真価はこれからの戦いにかかっているようである。